「ハロルド。」

通路の向こうで跳ねるピンクの頭に声をかける。
ハロルドはこちらに気がつくと、バタバタと白衣の裾を靡かせながら駆け寄って来た。

「やっほぉー、アトワイトじゃーん!」

そして、そのままこちらにタックルを仕掛けるように飛びついてくる。
私はそんな彼女の軽くて細い体を抱きとめると、クルリと一回転させて、静かに着地させた。
ヒールのブーツがカツンと小気味のいい音を立ててリノリウムに降り立つのが聞こえた。

「久しぶりね、ハロルド。」
「そうね、一昨日ぶりだわ。」

言われてよく考えると、確かに一昨日もこのような邂逅を果たした気がする。
もう随分と久しぶりに会ったような気がしていたのだが。

「アトワイトったらそんなに寂しかったワケ?」
「そうね、貴方に会えなくて寂しかったわ。」

不適に微笑むその童顔に、私もにこりと微笑み返してそう言った。

「あっそ。」

ハロルドはそうそっけなく返すと、ぷいと顔を背けてしまった。
私がストレートに心情を吐露した所為で、照れてしまったのだろう。
その子供っぽい可愛らしさに思わず小さな笑みが零れた。

「ぶー、何よう。」
「いいえ、何でもないわ。」

くすくすと笑う声を咎めるように、ハロルドがふてくされた声をかける。
ああ、何て可愛いんだろう。

あまりの可愛らしさ故に思わず零れる笑いを止められないでいると、ハロルドに頬を掴まれてしまった。
マニキュアで綺麗に彩られた爪、小さくて柔らかい手のひら。
彼女の好きなピンクが引かれた唇が近寄ってくる。

「ん……。」

目を閉じて素直に受け入れると、気を良くしたらしいハロルドは柔らかく唇を開いて、舌を絡ませてきた。
こんな誰かが通るかもわからない場所で随分と大胆な事だと思ったが、もちろんそれを咎めるつもりなんてさらさらなかった。

ちゅう、と軽く啄ばむ音と共に、唇が解放される。

「ふふ、貴方って本当に可愛いんだから。」

そう言うと、彼女はニヤリと笑って言った。

「とーぜんっしょ!」










アトハロ……?^▽^

ハロアトかもしれない……
でも、この二人ならどっちでも可愛い気がする^▽^