ロイドは皆に優しい。
ロイドは皆に平等だ。
ロイドは皆を愛する。

「よう、ロイド君。」

だけどそれって、実は誰も愛してないんだぜ。

「何だよ、ゼロス。」
「いや~ん、ハニーったら冷たーい。折角このゼロス君がわざわざハニーに会いに来たってのに。」
「……うざい。」
「あ、ひっでー。オレ様傷ついちゃうぞ。」
「……あーもー、勝手にしろよ。」
「あーん、コレットちゃーん。ロイド君が冷たーい!」

コレットちゃんに助けを求めてみる。

「ダメだよ、ロイド。ゼロスが泣いちゃうよ。」
「いや、泣いてはいないだろ。」
「ロイド君にこれ以上冷たくされたらオレ様泣くー!」
「ったく、しょうがねえな……。」

そう言いながらロイドはぽんぽんとオレの頭を撫でた。

「ロイド君オレ様の事好き?」
「あー、はいはい。好きすき。」
「あ、ロイド。私は私は?」
「勿論好きに決まってるだろー!」
「ロイド君、オレ様とコレットちゃんで随分と差ありすぎじゃね?!」

態度上は凄くそっけない。
オレもこんなもんだよな、って思ってる。
でも、その実、その愛は物凄く平等だ。

「ゼロスも好きだって。」

そう言って、笑って、オレの髪をくしゃくしゃと撫でる。
毎日ちゃんとブローしてるのに、なんて言ってみたりして。
でも、嬉しい。

ロイドは皆の器に平等に愛を注ぐ。
ロイドの周りに集まっている奴らはオレを含め、皆、何処かしら欠陥があって、何時も愛が不足している。
俺の器なんかは、穴が空いている。
注がれても注がれても、全然足りない。

それでもロイドは皆に愛を注ぎ続ける。
多分、ロイドの愛は一人で受け止めるには重たすぎるんだ。
ロイドが本気で人を愛したら、そいつはきっとマトモじゃいられない。
だから、穴の開いた欠陥だらけの奴らが集まって、分け合って、丁度いいんだ。

それでも。

それでも独占したいって思ってしまうんだけど。










ロイド君の周りには愛に飢えた人間ばかりが集まっているような気がします。
恋愛、友愛、家族愛、人類愛……形は様々ですけど。
彼らを纏め上げてしまえるロイド君って凄いですね^▽^