※D2の原作ハロルド(キャサリン)と拙宅の弟ハロルド(ロベルト)のお話です
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「なあ……。」
ベッドの縁に腰掛けた状態で、ピンクの後ろ頭に溜め息混じりに声をかける。
「んー、なに?」
ピンクはパソコンのディスプレイからこちらを振り返る事もなく、そう呟いた。
「何かおかしくないか、この光景……。」
「どの辺が?」
どの辺……と具体的に言われると困るのだが、とにかくこの状況は妙だ。
「とにかくおかしいだろ……。」
そう、これはおかしい。
何故オレは女装させられていて、何故オレの膝の上にこいつが座っていて、何故こいつはそこで胡坐をかきながらパソコンを弄っているのだろう……。
「そんな事ないって、だいじょぶだいじょぶ。」
「絶対、大丈夫じゃないって……オレ、カーレルさんに殺されちまうよ……。」
「へーきへーき、相手がロベルトじゃ何もない事くらい兄貴も分かるっしょ!」
ディスプレイ越しに映る笑顔に、思わず溜め息を吐いた。
こいつの兄貴なら、何もない事が分かっていても許しはしないだろうに……。
「もういいだろ、退けよ。」
「やーよ。」
キャサリンは重心を後ろに傾けて、ここから動く意思がない事をアピールした。
力ずくで退かそうと思えば出来ない事もなかったが、それをすると今度はセクハラだの何だのと騒ぎだすのに違いない。
深々と溜め息を零した所でコンコンと部屋の扉が叩かれた。
「ハロルド、いるか?」
まずい、ディムロスの声だ。
この状況をどうしようかと思考を巡らせていたら、キャサリンがあっさりと言い放った。
「どうぞー、開いてまーす!」
「キャシー!?」
何て事を言うんだ、こいつは……!
叱り飛ばしてやろうかと思った所で、今まで何を言っても振り向かなかったピンク頭がくるりと振り向いた。
不敵な笑顔。
驚いていたら、その体勢から重心をこちらに傾けてくる。
そのままベッドに押し倒される。
ガチャリ。
扉が開く。
驚きに目を見開くディムロスが見えた。
「あ……は、ハロルド……その……。」
呆然とするディムロス。
「あ、や、ち、違うぞ……これは……!」
驚くのも無理はない。
オレが黒くてひらひらしたレースのスカートを穿いて、ベッドの上でキャサリンに押し倒されているのはどう見てもおかしい。
「全く、ディムロスったら無粋ねー。ロベルトの密やかな趣味の最中に。」
ちょっと、待て誰の何が密やかな趣味だ……!
このゴスロリとかいう、ひらひらフリフリした服はお前がオレに無理矢理着せたんじゃなかったのか……!?
「す、すまない……!」
ディムロスはそう言って扉を閉めると、バタバタとした足音を廊下に響かせながら去っていった。
「ありゃ? 行っちゃったー。」
そう言って体を起こしたキャサリンを、体の上から退ける。
「キャシー、お前……っ、何してんだよ!」
ああ、全く、妙な誤解を生んでくれたものだ。
「いやー、ディムロスがどんな反応するかちょっとした実験だったんだけど。それにしても中々面白い反応だったわね。ぐふふ。」
キャサリンは特徴のある、彼女独特の妙な笑いを零して言った。
「これは、脈アリかもよー?」
「ねーよ! ディムロスはアトワイトと付き合ってんの!」
「あら、でもちょっとショック受けてたみたいだけど?」
「そりゃ、こんな光景見たら誰だってショックだろうよ……。」
がくり、うなだれて溜め息を吐く。
キャサリンはうーん、と首を傾げて呟いた。
「女の勘なんだけどなー。」
「アテにならねー。」
このマンションに住む、ピンクの頭の奇妙な隣人。
その女の勘とやらが案外アテになるものだと知るのはもう少し先の話。
ハロ♀ハロ♂ディム……?
とでも書けばいいんだろうか…………
なにこれカオス^▽^
女の子ハロと弟ハロを一緒に出したら何故かこんな事になってしまいました……
この話は2001Hitを踏んで下さった乃朔さんに捧げます!
何だかシュールな話になってしまいましたが、よろしければお受け取り下さいませ!^▽^