「あら、司令。随分と素敵な格好ですわね。」
私の執務用デスクに足を組んで腰掛けて、彼女は妖艶に笑った。
スラリと長く伸びた白い足に、赤いハイヒールが眩しい。
一方の私は彼女が組んだ足の下、ヒールの尖った先に肩を踏みつけられ跪いていた。
「あ、アトワイト君……。」
「はい、何でしょう?」
彼女はルージュの引かれた赤い唇で呟くと、ヒールの先を更に食い込ませた。
「う……くっ……!」
痛みから声を上げる。
それを見下ろす彼女は酷く愉快そうだった。
「部下に足蹴にされるご気分はいかがですか?」
「…………っ!」
くすくすと笑いながら、彼女は私の肩口からゆっくりと足を引いた。
足の甲、エナメル質の赤で私の顎を掬い上げて、優美ににこりと彼女は微笑んだ。
「何なら、不敬罪で捕まえて下さってもいいんですけれど。」
「そんな事は……できない……。」
「あら、どうしてかしら。」
更に角度を上げさせて、彼女は問うた。
穏やかだが絶対的な声音に抗う事も出来ず、私は答えた。
「これは私的な問題だ……それを仕事に介入させるなど……っ。」
そもそも抗おうなどとも思ってはいなかったのだが。
「そうですか。では貴方は私的に、執務室で、部下に踏みつけられている訳ですね。」
「う……っ。」
彼女は足首だけで私の顎を蹴り上げてそう言った。
いつも誰かに命令を下す部屋で、女性に、しかも部下に貶められているという事実に、耳の奥がじんじんと酷く熱くなるのを感じた。
「司令ったらいいご趣味をお持ちですのね。」
「ち、がう……私は……っ!」
首を振ってはみたもののその場から動く事さえできない。
彼女はそんな私ををますます愉しそうな表情で眺めた。
「褒めて差し上げているのに。」
長い髪を耳へと掻きあげながら、彼女は言った。
薄い紫がさらさらと指の隙間から零れるのが見えた。
「地上軍の総司令がマゾヒストなんて、意外だわ。」
全く、サディスティックな微笑を浮かべながらよくそんな事を言ったものだ。
「君がサディストだったとは、お似合いだよ。」
「光栄ですわ。」
本当に嬉しそうな顔で彼女は笑う。
「それで、それを言いふらそうとでも言うのかね?」
精一杯な心境でそれでも表情だけは不適に虚勢を張っている。
地上軍を束ねていくのにはこういうハッタリも時により必要なものだ。
傍から見れば、平静に見える事だろう。
「そうして欲しいと仰るなら、して差し上げない事もないですけど?」
ああ、しかしそれさえも彼女には通用しないのだろうか。
彼女は言いながら試すような表情で、靴先をスッと顔の前へ移動させた。
舐めろと言っているのだろう。
酷い屈辱だ。
「アトワイト君……!」
「あら失礼、何か気に障りました?」
彼女にとってそれを言いふらすかどうかなど、どうでもいいのだろう。
事実、至極退屈そうに彼女はもう片方の足をぶらつかせている。
こんな地位にいれば様々な流言は飛び交うものだし、それに手を加えて情報操作をする事だってある。
そのような噂が流れようと私にとって大した脅威ではないのだ。
そして、彼女はそれを理解していて、私がそれに従うか否かのみを試しているのだ。
本当に酷い屈辱だ。
「く……っ!」
痛みに再び声が詰まる。
答えを急かすように、自由だった片側の爪先が鳩尾に食い込んだ。
私は痛みに悶絶しながら、ゆっくりと彼女の靴底を支えるように手に取った。
震えながら彼女の靴の甲をチロリと舌先で小さく舐める。
耳の奥で燻っていた熱が全身へと広がるのを感じた。
恥辱で焼け焦げてしまいそうだ。
「…………っふ。」
伺うように見上げると、彼女はそれを褒めるように笑っていた。
愉悦の笑みとはこういうものを言うのだろうか。
「本当に、素敵ですこと。」
クッ、と喉の奥を鳴らして笑いながら彼女は言った。
「こんな事で気持ちが良くなるのね。」
「う、ぐっ……!」
羞恥によりじわりと熱を持ち始めていた箇所を、靴底で強く踏まれた。
凄まじい痛みに、額にじわりと不快な汗が浮いた。
「アト、ワイト……君……!」
「あら、痛かったかしら。ごめんなさい。」
じろりと睨みつけると、それがまた面白いとでもいうように彼女は笑った。
「そうね、あんなに強く踏むものじゃないわね。」
そう言うと、じわじわと押すようにして彼女は微弱な刺激を与えた。
「これくらいが気持ちいいのかしら?」
「う、あっ……!」
私の反応を探るように靴底を傾ける彼女は非常に楽しそうだ。
「……そう、これくらいがお好きなんですね。」
靴底の触感で脹らみをハッキリと感じ取ると、彼女は嘲る様に笑った。
そして、人に舐めさせたその靴を脱ぎ捨てると、作業机の向こう側へと放り投げてしまった。
とことんまで人の自尊心を打ち砕くのが得意らしい。
「何か不服なのかしら?」
私の視線を汲み取って彼女は言った。
反論など許さない癖に問い掛けるとは何と卑怯なのだろうか。
そんな私の思惑に気付いているだろうに、彼女は意にも介さない様子で自らのミニスカートの中にその手を忍ばせた。
何をするのかと思えば、彼女はするすると肌色のストッキングを恥ずかしげもなく下ろしていた。
「そろそろ、逃げられない口実くらい欲しいでしょう?」
彼女は薄く微笑むと、そのストッキングで私を後ろ手に縛り上げた。
彼女の言うように、逃げようと思えば逃げられる状況下にありながら、私はその状況全てを甘んじて受け入れていた。
これは全く妙な事だ。
踏みつけられた当初から、私は彼女に敗北していたという事だろうか。
「逃げられないから、これは仕方が無い事だ。そう思えば人間、案外動けるものですからね。」
彼女はデスクに座りなおすと、素のままの足を眼前に差し出した。
私はそれに恐る恐る顔を近づけると、少し汗ばんだ彼女の足を口に含んだ。
一本ずつ指の間に舌を這わせて舐め上げる。
それは恍惚と言っても良かった。
「ふ……うっ……。」
彼女は時々、わざと水音を立てるようにして指を動かして、私の反応を興味深そうに観察していた。
「そんなに夢中になるほど楽しいのかしら?」
その背で腕を固定されてしまった為、不恰好に前にのめりながら、私は彼女の足を丁寧に舐めた。
「そろそろこちらも苦しいかしら。」
彼女は空いた方の足先で私の股間を布越しに擦り上げた。
「……っあ、う!」
「まだ堪えられます? ねえ、司令?」
腰が砕けてしまいそうだった。
「う……無、理だっ……!」
「分かりませんわ。一体、何が無理なのかしら?」
彼女は意地の悪い顔でそう宣った。
私は震える声で彼女に懇願した。
「ア、ト……ワイト……く……、頼む……から!」
完璧に屈服し、心から彼女に跪いた私に、彼女は慈悲深く微笑みかけた。
「仕方ありませんわね。」
彼女は私に近寄ると、ズボンの前を寛げてそれを取り出した。
窮屈な状態から解放された事に、背筋が震える。
「さて、これからどうしましょうね。」
彼女は面白がっている様子でそれを眺めて言った。
「ふ……。」
「ふ?」
口から漏れた言葉に敏感に反応して彼女は繰り返した。
ああ、全く勝ち目がない。
「踏んで……くれ、ないか……。」
視線を逸らしながら言うと、彼女はにこりと微笑んだ。
きっとこれも彼女の狙い通りなのだろう。
「では、足を開いて頂けます?」
ズボンと下着を一緒にずり下げられて、私はM字に開脚する事を強要された。
勃ちあがった局部を主張するかのように彼女の前に晒しながら、私のそれは羞恥から来る快楽に更に脹らみをみせた。
「あら、凄い。」
「ふ、っ……あ……っ!」
彼女は手を後ろのデスクに突くと、立ったままそれを軽く刺激するように踏んだ。
「こんな方が地上のトップだと知ったら、兵は一体何て思うかしら。」
「……っん、言わないん……じゃ!」
「勿論、言うつもりなんてありませんよ。」
彼女は足の親指と人差し指で竿の部分を挟み込むとゆっくりと器用に上下させた。
「はぁ……あっ、あ……!」
「でも、ディムロスなんて特に貴方に心酔しているから……知られたら軽蔑されるでしょうね。」
「う、あ……やめ……!」
あの実直な将校が上官として私を慕ってくれているのは知っていたが、今はそれすら羞恥を煽る言葉にしかならなかった。
「ふふ、言いませんわ。」
彼女は薄っすらと目を細めると、きゅうっと足に力を入れてそれを絞り上げた。
「ひっ、痛……っ……!」
「痛いのがお好きですか?」
痛みに呻きながらも、私のそこはますます快楽によって肥大化していた。
「痛みでも感じられるんですね、司令は。」
「う、あっ……アト、ワ……トく……もう……!」
大の男がみっともなく涙を零しながら懇願する様を、彼女はただ面白そうに眺めていた。
「もう?」
「も、う……イかせて、くれ……っ。」
その言葉を聞くと、彼女はニヤリと微笑んで私のそこを強く踏みつけた。
「あ、あっ……うあああ……っ!」
パタパタとだらしなく精液を飛ばして、私は果てた。
乱れた呼吸を繰り返す私の口に、彼女は不機嫌そうな顔で精液を被った足をぐい、と突っ込んだ。
私は何の躊躇いもなくそれを舐めとりながら思った。
ああ、何と、屈辱的なまでの快楽だろうか。
乃朔さんとアマツカさんとのチャットで書くと約束したのでアトリトSM書いてみましたwww
何で踏まれてる状態から始まったのかとか、そこに至るまでのいきさつとかはもう知らない^▽^
司令がドMすぎてどうしようwwwwwwwww